電子書籍はやめたほうがいい?デメリットと紙の本との違いを徹底比較

電子書籍はやめたほうがいい?デメリットと紙の本との違いを徹底比較
  • 電子書籍と紙の本、どっちが良いんだろう?
  • 電子書籍はやめたほうがいいのかな?

近年、電子書籍が普及する中で「電子書籍はやめたほうがいい」という意見を耳にしたことはありませんか?この記事では、電子書籍をやめたほうがいいと言われる理由と電子書籍を利用するメリットについて解説します。記事を読めば、電子書籍の利用があなたのライフスタイルや読書習慣に合っているかわかります。

電子書籍はやめたほうがいいと言われる理由

電子書籍はやめたほうがいいと言われる理由は以下のとおりです。

  • 所有感がないから
  • ブルーライトで目が疲れるから
  • 人によっては読みづらいから
  • サービス終了で読めなくなる場合があるから

所有感がないから

電子書籍の場合、所有感が得られません。紙の本は手に取れますが、電子書籍はデータとして端末内に保存されているだけで触れたり匂いを感じたりできません。電子書籍を購入しても「所有」より「利用権」を買っている感覚になります。

紙の本では付箋を貼ったりメモを書き込んだりできますが、電子書籍は手に取れないため愛着も湧きにくいです。

ブルーライトで目が疲れるから

電子書籍は、スマートフォンやタブレットのブルーライトで目が疲れやすくなります。ブルーライトは以下のような影響を及ぼします。

  • 目の乾燥
  • 肩こりや首の痛み
  • 睡眠の質の低下
  • 近視進行のリスク

就寝前に電子書籍を読むと、ブルーライトが睡眠ホルモンの分泌を妨げて睡眠の質を低下させるリスクが高くなります。子どもは、大人よりもブルーライトの影響を強く受けやすいので注意が必要です。最近ではブルーライトカット機能や電子ペーパーディスプレイを採用した端末もあります。

しかし長時間使うと目に負担をかけます。ブルーライト対策グラスやナイトモードを使用しても、完全には目への負担を防げません。

人によっては読みづらいから

電子書籍は、年配の人やデジタル機器の操作に不慣れな人にとっては読みづらいです。電子書籍の場合はページめくりやズーム、ブックマークなどの機能を使いこなすことが難しい場合があります。紙の本では「どこまで読んだか」や「全体の何割読んだか」という感覚が掴みやすくなります。

電子書籍では進捗率やページ数は表示されますが、物理的な厚みを感じられないため読書の進み具合を直感的に把握しづらいです。電子書籍は、屋外などの明るい場所では画面の反射によって文字が見えづらくなることもあります。タッチスクリーンの反応速度によってはストレスを感じる場合もあります。

図表や写真が多い書籍、レイアウトが複雑な書籍などは紙の本で読んだほうが読みやすいです。

サービス終了で読めなくなる場合があるから

電子書籍は、サービスが終了すると購入した本が読めなくなる可能性があります。実際に過去にはSONYのReader StoreやDMMブックスなど、利用者数の多いサービスが終了しました。電子書籍サービスは提供会社の経営状態に大きく左右されます。

サービス終了の通知から実際の終了までの期間が短い場合、十分な対応ができません。ダウンロード可能な形式で保存していても、専用アプリのサポートが終了すると読めなくなるケースもあります。契約条件の変更によって、所有していると思っていた書籍の利用条件が変わる可能性も考慮すべき点です。

アカウント情報を忘れた場合やアカウントが凍結された場合、購入した電子書籍にアクセスできなくなることもあります。紙の本であれば、一度購入すれば長期間手元に置いておけます。

DRM(デジタル著作権管理)により保護されている電子書籍は特に注意が必要です。DRMは不正コピーを防止するための技術ですが、同時に利用者の自由な読書も制限されてしまいます。

電子書籍を利用するメリット

電子書籍を利用するメリットは以下のとおりです。

  • セールや定額の読み放題が充実している
  • いつでもどこでも読める
  • 収納スペースがいらない
  • 購入後すぐにダウンロードして読める

セールや定額の読み放題が充実している

電子書籍の大きなメリットの一つは、さまざまなセールや定額制の読み放題サービスが充実していることです。電子書籍では新刊や人気作品がセール対象になることも多くあります。月額定額制のサービスにはKindle Unlimited、楽天Kobo Plus、dマガジンなどがあります。

月額定額制のサービスでは漫画や雑誌、ビジネス書などが充実しており、月に千円程度で数万冊の書籍や雑誌が読み放題です。読書量が多い人には大変お得なうえ、従来なら手が出なかったジャンルの本にも気軽に挑戦できます。

月額定額制のサービスでは無料で読める電子書籍も多数あります。古典作品や一部の漫画の冒頭部分は無料で読めるものも多いため、購入前に内容の確認が可能です。定期的に開催される以下のような大型セールや割引も見逃せません。

  • Amazonや楽天Koboでの70〜90%オフセール
  • 出版社主催の期間限定セール
  • 電子書籍専用の割引クーポン
  • 高還元率ポイントキャンペーン
  • 日替わり半額セール
  • 1巻無料キャンペーン

電子書籍は通常、紙の本より10〜20%程度安い価格設定になっているのが一般的です。まとめ買いで割引になるバンドルセールや、紙の書籍購入者向けの電子版割引「読み放題プラス」などのサービスもあります。セールや割引サービスをうまく活用すれば、読書にかかるコストを大幅に抑えられます。
» 楽天の電子書籍の買い方を詳しく解説!お得に買うコツも紹介

いつでもどこでも読める

電子書籍の大きな魅力は、いつでもどこでも読書ができる点です。通勤時間や待ち時間、旅行先など、さまざまなシチュエーションで読書を楽しめます。特に通勤電車では、片手で操作できる電子書籍はページをタップするだけで読めてとても便利です。電子書籍は、紙の本のように両手で本を広げる必要がありません。

重い本を何冊も持ち歩く必要がなく、デバイス1台で複数の本を携帯できるため、荷物の負担が大幅に軽減されます。電子書籍はクラウド同期機能によりスマートフォンやタブレット、パソコンなど複数のデバイス間で読書の進捗状況が共有できます。

家ではタブレット、外出先ではスマートフォンといったように、状況に応じて最適なデバイスで続きを読めるのは使い勝手が良い点です。夜間や暗い場所でもバックライト機能があるため、紙の本のように照明を必要とせずに読書できます。隙間時間を有効活用したい人にとって、電子書籍は最適な選択肢と言えます。
» 読書の時間を確保して効率的に本を読む方法を解説!

収納スペースがいらない

電子書籍のメリットの一つは、物理的な収納スペースを必要としない点です。本棚のスペースが確保できない場合でも、電子書籍であれば何百冊、何千冊と購入でき、空いたスペースを別の用途に使えます。家族で暮らしている場合、蔵書スペースを取り合う必要もありません。

賃貸物件では、本棚を設置するための壁の穴あけなども不要です。物理的な本は水害や火災で失われるリスクがあります。しかし電子書籍はクラウドにバックアップされていれば、端末が壊れても再ダウンロードして読めます。

購入後すぐにダウンロードして読める

電子書籍のメリットの一つは、購入後すぐに読み始められる点です。実店舗や通販と違い、購入手続きが完了した瞬間からダウンロードして読めます。人気の新刊が発売されたときも、売り切れることはありません。電子書籍は予約購入システムを利用すれば、発売と同時に自動的に端末にダウンロードされます。

電子書籍を利用すれば発売日に書店に行く手間も省け、天候や交通事情に左右されることもありません。日本では入手困難な洋書でも、電子書籍なら簡単に購入できます。忙しい人や夜型の人にとって、深夜でもすぐに入手できるのは便利です。通勤中や外出先でも、Wi-Fiやモバイル通信があれば瞬時に本を入手できます。» 電子書籍のメリットとは?デメリットと比較解説!

電子書籍の利用をやめたほうがいい人の特徴

電子書籍の利用をやめたほうがいい人の特徴は以下のとおりです。

  • 紙の本の質感や匂いが好きな人
  • 古本を売買したい人
  • 本をコレクションして眺めたい人
  • セキュリティリスクが不安な人

紙の本の質感や匂いが好きな人

紙の本の質感や匂いが好きな人は、電子書籍よりも紙の本がおすすめです。紙の本を手に取ると、ページをめくる感触や紙の質感から得られる満足感があります。紙の本なら付箋やマーカーで実際に印をつけたり、読み進めるごとにページが増えていく達成感を味わったりできます。

古書の持つ独特の風合いや歴史的価値を楽しみたい人にも、紙の本がおすすめです。デジタル画面では味わえないアナログな読書の温かみを大切にしたい人には、電子書籍よりも紙の本が向いています。
» 電子書籍とは?紙との違いとメリット・デメリットを解説

古本を売買したい人

古本を売買したい人には、電子書籍はおすすめできません。電子書籍最大の弱点は、中古市場が存在しない点です。絶版になった希少本や限定版は価値が上がることもあり、投資的な側面も持ち合わせています。

しかし電子書籍は再販売できないため、古本の売買はできません。古本屋を巡る楽しみや思いがけない掘り出し物を見つける喜びは、電子書籍では味わえません。

本をコレクションして眺めたい人

本をコレクションして眺めたい人には、電子書籍は向いていません。美しい装丁や背表紙を眺める満足感は、紙の本ならではの魅力です。本棚に並んだ書籍は、単なる読み物以上の価値があります。ページをパラパラとめくる感覚や紙の質感、印刷の美しさなどは本のコレクターには欠かせません。

本棚に並んだ本を見ることで過去に読んだ内容を思い出したり、新たな発見をしたりすることもあります。電子書籍ではリスト表示はできますが、一目で全体を見渡せないため、偶発的な再発見の機会は少ないです。シリーズの全巻コレクションなど、コレクターとしての楽しみを重視する人には紙の本が向いています。

セキュリティリスクが不安な人

電子書籍はセキュリティリスクが不安な人には向いていません。電子書籍サービスでは以下のようなリスクが考えられます。

  • 個人情報の流出
  • アカウントの不正利用
  • 読書履歴の追跡
  • クラウドの脆弱性
  • DRMによる制限

電子書籍サービスでは、読書に関する詳細なデータが収集されている場合があります。電子書籍を利用するには、クレジットカード情報などの個人情報の登録が必要です。アカウントがハッキングされるリスクや、読書履歴などのプライバシー情報が第三者に知られる可能性があります。

紙の本であれば、購入時以外に個人情報を提供する必要はなく、読書の履歴が電子的に記録されません。

電子書籍の利用が向いている人の特徴

電子書籍の利用が向いている人の特徴は以下のとおりです。

  • 文字サイズやフォントを調整したい人
  • 辞書機能や検索機能を利用したい人
  • 複数の端末で読みたい人
  • 頻繁に引っ越しをする人

文字サイズやフォントを調整したい人

文字サイズやフォントを調整したい人には電子書籍がおすすめです。電子書籍は、自分の好みに合わせてカスタマイズできます。小さな文字が読みづらい場合、電子書籍なら文字サイズを簡単に拡大できるので、ストレスなく読書を楽しめます。電子書籍で自由に調整できる項目は以下のとおりです。

  • 文字の大きさ
  • フォントの種類
  • 行間の幅
  • 文字と背景のコントラスト
  • 背景色

電子書籍はディスレクシア(読字障害)対応のフォントを選べる機能も便利です。ブルーライトカット機能や暗い場所に適した表示モードに切り替えられるので、夜に読書するのも楽になります。時間帯によって、自動的に画面の色温度を調整する機能がある端末もあります。

辞書機能や検索機能を利用したい人

辞書機能や検索機能を利用したい人には、電子書籍がおすすめです。紙の本では単語の意味を調べるときに時間がかかります。電子書籍なら辞書機能を使えば、知らない単語や表現に出会ったときにワンタップで意味を確認可能です。

電子書籍は、読書の流れを中断せずに学習を深められるため、特に外国語の書籍を読む際に役立ちます。他にも、検索機能を活用すると以下のようなことが簡単にできます。

  • 特定のキーワードの検索
  • 重要部分の再確認
  • 引用箇所の特定
  • 必要情報の抽出

本文内の検索機能を使えば、特定のキーワードやフレーズを瞬時に見つけられます。過去に読んだ箇所を思い出したいときや引用を探したいときに、ページをめくって探す手間が省けます。

複数の端末で読みたい人

電子書籍は複数の端末で本を読みたい人におすすめです。電子書籍ならスマートフォンやタブレット、パソコン、専用リーダーなど複数の端末で同じ本を読めます。通勤中はスマートフォンで、自宅ではタブレットでといった使い分けが可能です。

電子書籍では、最後に読んでいたページや設定が自動的に同期されるため、いつでもどこでも読書を再開できます。家族でアカウントを共有している場合、複数の人が同時に別々の端末で読めるサービスもあり、コストを削減できます。

頻繁に引っ越しをする人

電子書籍は頻繁に引っ越しをする人におすすめです。電子書籍ならスマートフォンやタブレット一台で何百冊もの本を持ち運べるため、引っ越し作業が楽になります。引っ越しの際、電子書籍には具体的に以下のメリットがあります。

  • 引っ越し費用の削減
  • 荷物の量を大幅に減少
  • 収納スペースの節約
  • 梱包・開梱の手間削減

本は重量があるため運送費に影響します。電子書籍に切り替えることで、引っ越し費用を抑えられます。転勤や海外赴任など長時間の移動が多い人にとって、すべての本をデジタルで持ち運べることは大きな魅力です。一時的な住まいや狭い住居でも、大量の本を電子書籍なら所有できる点も見逃せません。

引っ越しのたびに「この本は持っていくべきか」と悩む精神的負担もなくなります。電子書籍はクラウド上で管理されているため紛失のリスクもなく、新しい環境でもすぐに読書を始められます。

まとめ

電子書籍は収納性や利便性、コスト面で優れる一方、所有感や操作性、視覚負担といった課題もあります。紙の本の質感やコレクション性を重視する人には紙の本が適しています。読書スタイルやライフスタイルに応じて、両者をうまく使い分けるのが理想的です。

自分に合った読書スタイルを見つけて、より豊かで楽しい読書時間を過ごしましょう。