
「電子書籍を読みたいけど、忙しくて時間が取れない」と悩んでいませんか?Kindleの読み上げ機能を使えば、耳で聞きながら本を楽しめるため、今まで読書できなかった時間の有効活用が可能です。
この記事ではKindleの読み上げ機能のメリット・デメリットや設定方法、トラブル対処法を解説します。記事を読めばKindleの読み上げ機能を活用し、運動中や家事の最中でも耳から本の内容を吸収できます。手や目を使わずに読書できる新しいスタイルを、ぜひ試してみましょう。
Kindleの読み上げ機能のメリット

Kindleの読み上げ機能の主なメリットは以下のとおりです。
- ながら読書ができる
- 目の疲労を軽減できる
- 発音やリスニングの練習になる
ながら読書ができる
Kindleの読み上げ機能を使うと、他の作業をしながら読書を楽しめます。以下のような状況でも耳から物語や情報を吸収できる点が、Kindleの読み上げ機能の大きな魅力です。
- 家事の最中(掃除、洗濯)
- 運動中(ウォーキング、ランニング)
- 車の運転中
- 移動中
Kindleの読み上げ機能を活用すれば、ながら作業でビジネス書を学んだり寝る前に、目を閉じて物語の世界に浸ったりできます。
目の疲労を軽減できる

Kindleの読み上げ機能は画面を見続ける必要がないため、目の負担を大幅に軽減します。現代人は仕事でもプライベートでも画面を見る時間が長いため、読書くらいは目を休ませたいと考える方に最適です。目の疲労を軽減できる具体的な場面は以下のとおりです。
- 寝る前の暗い部屋での読書
- 長時間のパソコン作業後の読書
- ドライアイの症状がある方の読書
- 老眼で文字が読みづらい方の読書
目が疲れやすい状況でも、読書をあきらめずに済む点がKindleの読み上げ機能の大きなメリットです。
発音やリスニングの練習になる
Kindleの読み上げ機能は語学学習の強力なツールになります。外国語の書籍を読む際にKindleの読み上げ機能を活用すると、ネイティブに近い発音で内容を理解できるからです。英語の小説やビジネス書を聞きながらテキストを追うと、正しい発音やイントネーションが自然に身に付きます。
音声に続いて発音するシャドーイングの素材としても、Kindleの読み上げ機能は活用できます。Kindleの読み上げ機能は読み上げ速度を調整できるため、自分のレベルに合わせたリスニング練習が可能です。多言語の書籍に対応しているため、英語以外の言語学習にも役立ちます。
Kindleの読み上げ機能のデメリット

Kindleの読み上げ機能のデメリットは以下のとおりです。
- 読み上げ音声が機械的で違和感がある
- 読み上げ機能に対応していない書籍がある
- 読み飛ばし・巻き戻しが不便である
読み上げ音声が機械的で違和感がある
Kindleの読み上げ機能の音声は人工音声であるため感情の抑揚が乏しく、ロボットが話しているように聞こえます。人工音声では物語の臨場感や登場人物の感情が伝わりにくく、作品への没入感が損なわれます。人工音声はイントネーションや間の取り方が肉声よりも不自然なので、内容がスムーズに頭に入りません。
複数の登場人物がいる物語では声色が一定のため、人工音声では誰のセリフなのか判別しにくくなります。Kindleの読み上げ機能は情報収集には便利ですが、感情豊かな朗読を求める方には向いていません。
読み上げ機能に対応していない書籍がある

すべてのKindle本で読み上げ機能を利用できるわけではありません。本の内容や形式、出版社の方針などにより、Kindleの読み上げ機能が使えない場合があります。読み上げ機能に対応していない書籍の種類は以下のとおりです。
- 漫画や雑誌、写真集などの画像中心の書籍
- 図表が中心の専門書やレイアウトが固定された絵本
- 出版社や著者が読み上げを許可していない書籍
- 古い形式で出版された一部の電子書籍
- Kindleストア以外で購入したDRM付き電子書籍
読み上げ機能の対応状況は、Kindle本の詳細ページで「Text-to-Speech」の項目を確認すればわかります。「Text-to-Speech」が「有効」と記載されていれば読み上げ可能ですが「無効」の場合は利用できません。事前にKindleの読み上げ機能の可否を確認すると、書籍購入後の失望を避けられます。
読み飛ばし・巻き戻しが不便である
Kindleの読み上げ機能では、読みたい箇所への移動が紙の本と比べて難しくなります。音声では紙の本のようにページをめくって目的の箇所を探せないためです。特定の章や段落に移動したい場合、正確な位置を見つけるのに時間がかかり、数秒だけ戻したり進めたりする微調整も困難です。
飛ばし読みのような読み方は、Kindleの読み上げ機能では実現できません。Kindleの検索機能を使って特定の文章を探す方法もありますが、音声読み上げ中は操作が煩雑になります。
【デバイス別】Kindleの読み上げ機能の設定方法

Kindleの読み上げ機能は、スマートフォンやパソコンなどさまざまなデバイスで利用できます。デバイス別の設定方法は以下のとおりです。
- iPhoneの「画面の読み上げ」でKindleを読む
- AndroidのTalkBack機能でKindleを読み上げる
- PCでKindle for PCを読み上げる
- AlexaにKindle本を読み上げてもらう
iPhoneの「画面の読み上げ」でKindleを読む
iPhoneに標準搭載されている「画面の読み上げ」機能を使うと、Kindleアプリの文字を読み上げられます。iPhoneの「画面の読み上げ」機能の設定手順は以下のとおりです。
- iPhoneの「設定」アプリを開く
- 「アクセシビリティ」を選択する
- 「読み上げコンテンツ」を選択する
- 「画面の読み上げ」をオンにする
- Kindleアプリで本を開き、画面上部から2本指で下にスワイプする
iPhoneの「画面の読み上げ」機能の設定が完了すると、画面に操作パネルが表示されます。「画面の読み上げ」の再生ボタンを押すと読み上げが始まり、一時停止や読む速さの調整も可能です。読み上げ速度や声の種類は「読み上げコンテンツ」の設定画面で変更できます。
Siriに「画面を読み上げて」と話しかける方法でもKindleの読み上げを開始できます。
AndroidのTalkBack機能でKindleを読み上げる

Android端末に標準搭載されているTalkBack機能を利用すると、Kindleアプリの内容を読み上げられます。AndroidのTalkBack機能の設定手順は以下のとおりです。
- 端末の「設定」を開く
- 「ユーザー補助」をタップする
- 「TalkBack」を選択する
- 「TalkBackを使用」をオンにする
- Kindleアプリで本を開き、右にスワイプしてダブルタップする
AndroidのTalkBack機能を有効にすると端末の操作方法が大きく変わるため、事前にチュートリアルで操作を確認しましょう。読み上げが始まるとページ送りも自動で行われ、読み上げ速度や音の高さはTalkBackの設定画面から調整できます。TalkBack機能を設定から無効にすると、通常の操作に戻せます。
PCでKindle for PCを読み上げる
パソコンでもKindle for PCの読み上げ機能を使って本の内容を聞けます。お使いのパソコンに搭載されている音声読み上げシステムを活用して、Kindle本を音声で楽しめます。macOSの読み上げ機能の設定方法は以下のとおりです。
- Kindle for PCアプリを起動し、読みたい本を開く
- 「Command+F5」でVoiceOverを起動する
- 読み上げコマンドを実行して音声再生を開始する
- OSの設定画面で速度や声の種類を調整する
Windowsの場合は「Windows+Ctrl+Enter」でナレーターを起動できます。Windowsでは「ツール」メニューから「読み上げ機能を開始」を選択する方法もあります。PCの読み上げ機能を使用すれば大きな画面で文字を追いながら音声を聞けるため、シニアの方にもおすすめです。
AlexaにKindle本を読み上げてもらう
Alexaアプリを利用すると、Kindleの本を最も簡単かつ快適な形で楽しめます。家事や移動中など手がふさがっている状況でも、音声コマンドで読書を手軽に楽しめます。Alexaアプリでの読み上げ設定手順は以下のとおりです。
- スマートフォンにAlexaアプリをインストールする
- Alexaアプリを開き、画面下部の「再生」をタップする
- 「Kindleライブラリ」から読みたい本を選択する
- 再生先デバイスを選んで読み上げを開始する
- 「アレクサ、止めて」などの音声コマンドで操作する
Alexaアプリなら30秒単位での巻き戻しや早送り、章の移動も可能です。「アレクサ、30分後に再生を停止して」のようにスリープタイマーも設定できます。Echo端末があれば高音質のスピーカーでKindleの音声再生を楽しめますが、スマートフォン単体でも十分に活用できます。
Kindleの読み上げができない場合の対処法

Kindleの読み上げ機能がうまく動作しない場合は、いくつかの対処法で解決できます。Kindleの読み上げができない場合の対処法は以下のとおりです。
- アプリや端末を再起動してみる
- Kindleアプリが最新版か確認する
- 通信環境を整える
- 読み上げ機能に対応している電子書籍か確認する
アプリや端末を再起動してみる
Kindleの読み上げ機能が動作しない場合、アプリや端末の再起動で問題が解決する場合があります。アプリや端末を再起動する手順は以下のとおりです。
- Kindleアプリを完全に終了する
- 他の起動中アプリも終了する
- 端末の電源を一度切る
- 30秒程度待ってから電源を入れる
- Kindleアプリを再起動して読み上げを試す
アプリの再起動だけで改善する場合も多いですが、端末自体の再起動を合わせて行うとより効果的です。再起動後もKindleの読み上げ機能に問題が続く場合は、他の対処法を試してみましょう。
Kindleアプリが最新版か確認する
Kindleアプリが古いバージョンのままだと、読み上げ機能が正常に動作しない場合があります。Kindleアプリの更新により、新機能の追加や不具合の修正が行われるためです。iPhoneのアップデート確認方法は以下のとおりです。
- App Storeを開き、右上のアカウントアイコンをタップ
- 「アプリとデバイスの管理」または「利用可能なアップデート」を確認
- Kindleアプリが表示されたら「アップデート」を実行
Androidの場合はGoogle Play ストアを開き、プロフィールアイコンをタップするとアップデートの工程に進めます。スマートフォンの自動アップデート設定をオンにしておくと、常に最新状態の維持が可能です。アプリの更新後は一度アプリを再起動すると、新しい機能が確実に反映されます。
» Kindleの使い方を詳しく解説!アプリの快適な使い方も紹介
通信環境を整える

Kindleの読み上げ機能が途切れる場合、通信環境に問題がある可能性があります。安定したインターネット接続は、本のダウンロードや音声再生に必要不可欠です。通信環境を整える方法は以下のとおりです。
- Wi-Fiが正しく接続されているか確認する
- Wi-Fiルーターの再起動を試す
- 電波の強い場所に移動する
- モバイルデータ通信に切り替える
- 通信速度制限がかかっていないか確認する
- 機内モードがオンになっていないか確認する
- 書籍データが完全にダウンロードされているか確認する
Alexaを利用する場合は、スマートフォンとAlexa端末が同じWi-Fiネットワークに接続されているか確認しましょう。
読み上げ機能に対応している電子書籍か確認する
すべての電子書籍がKindleの読み上げ機能に対応しているわけではありません。Kindleの読み上げ機能の対応可否を確認する手順は以下のとおりです。
- Kindleストアで書籍の商品ページを開く
- ページをスクロールして「登録情報」または「商品の詳細」を探す
- 「Text-to-Speech」の項目を確認する
- 「有効」と記載されていれば読み上げできる
「Text-to-Speech」の項目に「未対応」または項目がない場合は、読み上げ機能を利用できません。図や写真が中心の固定レイアウト形式の書籍やマンガは、読み上げ機能に対応していない場合が多くあります。電子書籍を購入する前に読み上げ機能が対応しているか確認すれば、後で困ることを避けられます。
» Kindle本のデバイス別の購入方法や注意点を解説!
Kindleの読み上げ機能に関するよくある質問

Kindleの読み上げ機能に関するよくある質問は以下のとおりです。
- Kindleの読み上げ機能とオーディオブックの違いは?
- Kindleの読み上げ機能を使うときの注意点は?
Kindleの読み上げ機能とオーディオブックの違いは?
Kindleの読み上げ機能とオーディオブックの違いは以下のとおりです。
項目 | Kindle読み上げ機能 | オーディオブック |
音声の種類 | 機械音声 | プロのナレーター |
価格 | 電子書籍代のみ | 別途購入が必要 |
感情表現 | 単調 | 豊かな表現 |
対応書籍 | Text-to-Speech対応本のみ | 限定的 |
Kindleの読み上げ機能は、追加費用なしで利用できる点が最大のメリットです。通勤時間などの「ながら読書」には十分な機能を持っています。オーディオブックはプロによる表現豊かな朗読で、小説などの没入感を重視する場合に適しています。予算や用途に応じてそれぞれの機能を使い分けましょう。
Kindleの読み上げ機能を使うときの注意点は?

Kindleの読み上げ機能を快適に使うためには、以下の点に注意しましょう。
- 専門用語や固有名詞の発音が不正確な場合がある
- バッテリー消費が通常の読書より早い
- BGMや効果音はない
- 長時間使用した際に端末が発熱する恐れがある
- 画面ロック時に読み上げが停止される
Kindleの読み上げ機能の再生中にハイライトやメモ機能を使うと、読み上げが中断される点も注意が必要です。
Kindleの読み上げ機能を活用して読書を楽しもう

Kindleの読み上げ機能は、メリットとデメリットを理解して使うことが欠かせません。ながら読書や目の疲労軽減、語学学習など便利な点がある一方で、機械的な音声や操作性の制限もあります。
Kindleの読み上げ機能の設定方法は各デバイスで異なりますが、基本的な手順を覚えれば簡単に始められます。自分のライフスタイルに合わせて、Kindleの読み上げ機能を上手に活用しましょう。