本がもっと身近に|電子書籍とは?メリット・デメリットと選び方のコツ

本がもっと身近に|電子書籍とは?メリット・デメリットと選び方のコツ

電子書籍に興味はあるけれど、仕組みや使い方がわからない人は多くいます。この記事では、電子書籍の基本からメリット・デメリット、選び方、購入方法まで詳しく解説します。記事を読めば、自分に合った電子書籍サービスを選び、快適な読書ライフを始めることが可能です。

自分に合った電子書籍を選ぶには、読書スタイルや利用シーンを意識することが大切です。ぴったりの電子書籍サービスを見つけて、気軽に読書を楽しみましょう。

電子書籍とは電子データで保存された本や雑誌

電子書籍とは、紙の本や雑誌をデジタル化し、スマートフォンやタブレットなどの端末で読めるコンテンツです。テキスト以外にも画像や音声、動画、ハイパーリンクなども含みます。

紙の書籍との違い

電子書籍と紙の書籍の違いを理解すれば、ライフスタイルに合った読書方法を選びやすくなります。電子書籍の最大の特徴は、持ち運びの便利さです。何百冊もの本を1台の軽量な端末に保存できるため、旅行や通勤時でもたくさんの本を持ち歩けます。電子書籍には、以下の機能があります。

  • 検索機能
  • フォントサイズ・書体変更
  • 辞書連携
  • ハイパーリンク

電子書籍は紙の生産・配送コストがかからないため、一般的に価格が安く設定されています。絶版になった書籍でも電子版なら入手しやすくなります。電子書籍ではページをめくる音や紙の触感、本特有の匂いといった感覚的な体験は得られません。電源がないと読めないなどのデメリットも存在します。

デジタル著作権管理により、紙の本のように自由に友人に貸したり譲渡したりできない制限もあります。

電子書籍の歴史

電子書籍の起源は、1971年にマイケル・ハートが「グーテンベルグ・プロジェクト」を立ち上げ、世界初のデジタル書籍を作成したことにさかのぼります。1990年代初頭にはCD-ROMを使用した電子書籍が販売され始めます。1998年には初期の電子書籍リーダーである「Rocket eBook」と「SoftBook」が登場しました。

2000年には、ベストセラー作家スティーブン・キングが電子書籍専用小説「Riding the Bullet」を発表します。2004年には日本市場でソニーが「Librie」を発売し、電子ペーパー技術を使った読書体験を提供しました。

2007年にはAmazonが初代Kindleを発売し、市場を大きく拡大させます。その後も2010年にAppleの「iPad」が登場し、電子書籍の利用方法や表現の幅が広がりました。日本市場では2012年以降、楽天の「kobo」やAmazonの「Kindle」が参入したことで急速に拡大します。

電子書籍のメリット

電子書籍には、読書をより便利にする多くのメリットがあります。電子書籍の主なメリットは、以下のとおりです。

  • いつでもどこでも読める
  • 保管スペースがいらない
  • フォントの種類や文字サイズを調整できる

いつでもどこでも読める

電子書籍の最大の魅力は、どこにいても好きなときに読書を楽しめる点です。端末ひとつで、自分の本棚にいつでもアクセスできます。通勤や通学の移動時間、ちょっとした待ち時間、旅行中など、これまで無駄にしていた時間を有効に使って読書ができます。

電子書籍には、以下の便利な機能があります。

  • クラウド同期機能
  • オフラインでの読書
  • 夜間モード

電子書籍では、複数の端末間で読書の進み具合が共有でき、事前にダウンロードしておけばオフラインでも読書ができます。夜間モードで暗い場所でも目に優しく読めるため、どんな環境でも快適に読書を楽しめます。電子書籍は24時間いつでも購入・ダウンロードできるので、読みたい本を思い立った瞬間に手に入れることが可能です。

電子書籍は、何百冊もの本を1台の端末に入れておけるため、読みたい気分に合わせてすぐに本を切り替えられます。紙の本と違って、何冊も重い本を持ち歩く必要もありません。
» 読書の効果を最大化させる方法を解説
» 読書の時間を確保して効率的に本を読む方法を解説!

保管スペースがいらない

電子書籍は、物理的な保管スペースが全く必要ありません。紙の本は読むほどに本棚や収納場所を占領していきますが、電子書籍なら何百冊でも端末1台に保存できます。本棚が不要になるため、部屋を広く使え、生活空間に余裕が生まれます。具体的なメリットは以下のとおりです。

  • 引っ越し時の負担軽減
  • 埃や湿気問題の解消
  • 本の劣化防止
  • 持ち運びの負担減少
  • 収納を気にせず購入可能

電子書籍なら部屋の整理整頓や、家族間での共有も簡単です。限られた生活空間を有効活用したい人にとって、電子書籍の場所を取らないメリットは魅力的なポイントです。

フォントの種類や文字サイズを調整できる

電子書籍では、テキストの見た目を自分好みにカスタマイズできます。文字の大きさを自由に変更できるので、小さな文字が読みづらい人でも拡大して快適に読めます。フォントの種類も変更でき、自分が読みやすいと感じるデザインを選べるのもメリットです。以下のように細かい調整もできます。

  • 行間や文字間隔の調整
  • 背景色や文字色の変更
  • 夜間モードへの切り替え
  • 収拡大・縮小機能

最適な表示設定を選べば、読書環境や目の状態に合わられます。背景色の変更や夜間モードは、目の負担を軽減したいときに役立ちます。同じ本でも状況に応じて表示を変えられる柔軟性は、電子書籍ならではの大きなメリットです。
» 電子書籍のメリットとは?デメリットと比較解説!

電子書籍のデメリット

電子書籍の主なデメリットは、以下のとおりです。

  • 端末の故障リスクがある
  • ブルーライトの影響を受ける
  • 紙の質感がない

端末の故障リスクがある

電子書籍を利用する際、端末の故障によるリスクは避けられません。読書が突然中断されるだけでなく、大切な書籍データを失う可能性もあります。端末に関する主なリスクは、以下のとおりです。

  • バッテリー切れ
  • 水没や落下
  • 紛失や盗難
  • ハードウェア障害
  • 端末の寿命による使用不可

スマートフォンやタブレットは日常的に持ち歩くことが多いため、落下や水没などには気を付けましょう。故障時には、購入した電子書籍にアクセスできなくなる可能性があります。古い機種では新しいアプリやフォーマットに対応できないこともあり、機種変更時にはデータ移行の手間もかかります。

クラウドに保存している場合でも、システムトラブルにより一時的にアクセスできなくなる場合があるので注意してください。

ブルーライトの影響を受ける

電子書籍を読むデバイスから発せられるブルーライトは、目の疲れや睡眠障害の原因になる可能性があります。ブルーライトが目に与える影響は、主に以下の3つです。

  • 網膜へのダメージ
  • 目の疲労
  • 瞬きの減少

就寝前に電子書籍を読む習慣がある人は注意が必要です。ブルーライトは睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制するため、睡眠の質が低下する可能性があります。

ブルーライトの影響を軽減するためには、ブルーライトカットフィルターや専用メガネの使用が効果的です。ブルーライトを軽減するナイトモードやダークモードの機能を活用するのもおすすめです。E-ink技術を使用する電子書籍専用端末は、タブレットやスマートフォンと比べてブルーライトの影響が少ない特徴があります。

長時間読書を楽しみたい人は、専用端末の利用を検討しましょう。

紙の質感がない

電子書籍では、以下のような紙の本ならではの感覚は味わえません。

  • 紙特有の匂い
  • ページをめくる際の手触り
  • 本の経年変化による風合い
  • 装丁や造本の美しさ
  • 本棚に並べて楽しむ満足感

紙の本特有の要素がないことで、電子書籍では没入感や所有感を得られにくい傾向があります。特に美しい装丁の本や限定版、アンティークな本の魅力は、電子書籍では十分に再現できません。

電子書籍ストアの選び方

電子書籍ストアを選ぶ際は、以下の点を確認しましょう。

  • 読みたい本があるか
  • 自分の端末に対応しているか

読みたい本があるか

電子書籍ストアを選ぶ際に最も重要なのは、読みたい本が充実しているかどうかです。どんなに使いやすいストアでも、欲しい本がなければ意味がありません。自分の好きなジャンルや作家、出版社の作品がそろっているかをチェックしましょう。シリーズものを読みたい場合は、全巻がそろっているかも確認しておくと安心です。

購入前に試し読みできるよう、無料サンプルを提供している電子書籍ストアも多くあります。独占配信の本もあるため、特定の作品を読みたい場合は、どのストアで配信されているかも調べておきましょう。

自分の端末に対応しているか

電子書籍を快適に読むためには、使用するストアが自分の端末に対応しているかを事前に確認することが重要です。iOS/Androidの両方に対応しているストアを選ぶと、端末を変更しても継続して利用可能です。Kindleや楽天Kobo、honto、BookLive!などの主要ストアは、両OSに対応しています。

KindleやKoboなどの電子書籍リーダー専用端末は、目に優しい反面、専用ストアに限定されます。PCでも読みたい場合は、Webブラウザ版があるストアを選ぶと便利です。Apple Booksなどデバイス固有のストアは、他の端末では利用できない場合があるので注意してください。

電子書籍を実際に購入する際は、自分の端末が対応しているか公式ストアで確認しましょう。アプリのバージョンやOSの更新状況によって対応状況が変わることもあるため、最新情報のチェックをおすすめします。

電子書籍の購入方法

電子書籍のストアでの購入手順や購入後のダウンロードと保存について、詳しく解説します。

ストアでの購入手順

ストアでの電子書籍の購入は、実際の書店で本を選ぶよりも手軽にできます。基本的な流れは以下のとおりです。

  1. ストアのアプリやウェブサイトを開く
  2. アカウント登録を行い、ログインする
  3. 本を探す
  4. 内容や価格を確認する
  5. 購入またはカートに追加する
  6. 支払い方法を選択する
  7. 決済情報を入力する
  8. 購入を確定する

多くの電子書籍ストアでは、クレジットカードやポイント、電子マネーなど、さまざまな支払い方法が用意されています。初めて利用する場合は、アカウント登録から始める必要があります。登録が完了すれば、次回からはログインするだけで簡単に購入可能です。

購入後のダウンロードと保存

電子書籍を購入した後は、専用アプリやソフトウェアを通じて自動的にダウンロードされるのが一般的です。購入した電子書籍は「マイページ」や「ライブラリ」からいつでも確認できます。データが消えてしまった場合でも、マイページなどから簡単に再ダウンロードできます。

ストアによっては、ダウンロード回数や利用できる端末数に上限が設けられている場合もあるので、事前に確認しましょう。読み終わった本はアプリから削除し、必要になったときに再ダウンロードすれば、端末の容量を効率的に使えます。

電子書籍に関するよくある疑問と解決法

電子書籍に関するよくある疑問と解決策をまとめました。電子書籍の利用を検討している人は参考にしてください。

  • 電子書籍はどこに保管される?
  • ネット環境がないと読めない?
  • 購入した電子書籍は複数の端末で読める?
  • サービス終了で読めなくなることはある?

電子書籍はどこに保管される?

Kindleや楽天Koboなどの電子書籍ストアを利用した場合、購入した本はサービス提供会社のクラウド上に保存されます。購入した電子書籍は、アカウント情報と紐づけられて管理されるため、本棚がいっぱいになる心配はありません。クラウド上に保存されているので、端末が壊れても本のデータは消えません。

Kindleの場合は、Amazonのクラウド上に保存され「コンテンツと端末の管理」から確認できます。楽天Koboの場合は、楽天のサーバーに保存され「マイブック」から確認可能です。電子書籍をダウンロードし、端末内のストレージに保存もできます。

一部のストアでは、SDカードなどの外部ストレージへの保存も可能です。

ネット環境がないと読めない?

多くの電子書籍は、ネット環境がなくても読めます。Kindleや楽天Koboなどのアプリでは、本を端末にダウンロードしておけば、オフラインでも読書が可能です。電車の中や圏外の場所でも問題なく読書を楽しめるのは大きなメリットです。ただし、以下の点には注意してください。

  • 新しい本を購入するときはネット接続が必要である
  • ストリーミング形式の電子書籍はオンライン接続が必須になる
  • 一部のサブスクリプションサービスでは、オフライン利用に制限がある場合もある

旅行や通信環境が不安定な場所に行く予定がある場合は、事前に読みたい本をダウンロードしておきましょう。端末の容量に余裕があれば、複数の本をダウンロードしておくと安心です。

購入した電子書籍は複数の端末で読める?

購入した電子書籍は複数の端末で読めます。多くの電子書籍ストアでは、同じアカウントを使えば異なる端末からでも自分の本にアクセスできるようになっています。電子書籍は3〜6台の端末で同時に利用できるのが一般的です。上限数はサービスによって異なるので、利用前に確認しておきましょう。

多くのサービスでは読書の進捗状況も同期されるため、スマートフォンで読んでいた続きをタブレットで読むといった使い方もできます。
» 読書量が多い人の特徴は?読書のメリットと効率的な読書法を紹介

サービス終了で読めなくなることはある?

電子書籍ストアがサービスを終了すると、購入済みの電子書籍が読めなくなるリスクはあります。サービス終了によって読めなくなるかどうかは、利用しているストアや電子書籍の形式によって異なります。

大手の電子書籍ストアの場合は突然サービスが終了する可能性は低いですが、小規模なストアを利用している場合は注意が必要です。多くの電子書籍ストアは、利用規約で「永続的な閲覧を保証しない」と明記しています。重要な書籍はPDF形式に変換して保存するなど、バックアップ対策をしておきましょう。

まとめ

電子書籍は、いつでもどこでも読める手軽さが魅力のデジタル書籍です。保管スペースが不要なことや、フォントサイズを自分好みに調整できるなど、多くのメリットがあります。一方、端末故障のリスクやブルーライトの影響、紙の持つ質感が得られないといったデメリットも存在します。

電子書籍ストアを選ぶ際は、読みたい本があるかどうかと、使用している端末との互換性を必ず確認しましょう。電子書籍は各ストアで簡単に購入可能で、購入後はダウンロードして保存できます。端末に保存しておけばネット環境がなくても読書ができます。

電子書籍を上手に活用して、自分だけの快適で豊かな読書ライフを始めましょう。